北海道

【サンマの卵】子持ちサンマを見たことがないのは何故?

2017/09/05

北海道では9~10月にかけてはサンマが旬。
今年も数えきれないくらいのサンマを捌いたものですが、ある時ふとサンマの卵を見たことがないのに気付きました。子持ちのサンマって、出回っていないのでしょうか…?

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サンマの卵を見たことがない

北海道では、9~10月がサンマの旬です。
キズ物は1匹50円くらいの値段で買えたりすることもあり、
お財布には大変ありがたい魚です。

もちろん安くても鮮度は抜群ですし、脂が乗って美味しいことこの上なし。

更に、栄養的にもサンマは優秀です。
血液サラサラ効果のあるEPA、記憶力向上や脳の老化防止に役立つDHA、
その他ビタミン類やカルシウム、鉄分も含まれています。

焼きサンマに竜田揚げ、かば焼き、つみれなど今年も色々料理しましたが、

そういえば子持ちサンマを見たことがないよ!

と、ある時ふと思ったんです。

ニシンに鮭、タラ、タコ、カレイにシシャモにカジカ、ハタハタetc…
他の魚は大抵卵を見たことがあるし、食べたこともあるのですが。

サンマ、漁協では傷や虫食い(寄生虫)の有無や大きさで値段が違います。
私が普段買うのは最安値のキズ物か小ぶりサイズ。

「オスよりもメスの方が小さいはずだから、小さいのはメスのはずなんだけどな…」

勝手にそんな風に考えていましたが、そういえば逆のタイプ…
つまり抱卵するメスの方が体格が大きいという生き物も結構いるのです。

「もしや、安くて小さいのは全部オスだったのかも!?」

そう思って、
ちょっとお高くて(と言っても200円くらい)大きめのサンマを
何度か買ってみたのですが、やっぱり卵を持っているのがいなかったのです。
もしやサンマって全員オスですか!?(-_-;)

そこで漁協の人に聞いてみると一言「時期じゃない」と。
一体どういうことなのでしょうか。

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サンマ漁の時期とサンマの産卵の時期のずれ

実は「子持ちサンマを見たことがない」のは、
サンマが出回る時期とサンマの産卵期とがずれている
からなのです。

サンマの生息域は日本周辺だけではなく、
太平洋のかなり沖、北米大陸の方まで広がっています。

日本だけでなく、
台湾や韓国、中国やロシアでもサンマ漁をしているそうです。
結構広域に分布する魚なんですね。
これだけ食べまくっても絶滅しないのは、生息域が広いからでしょうか。

生態を見てみますと…
日本周辺で孵化したサンマは餌となるプランクトンを求めて北海道まで北上し、
ここでたくさん食べて太るんですね。

そして冬から春にかけての産卵のために今度は九州沖まで南下します。

その時に通過する北海道東部が漁場となり、
脂の乗った一番おいしい時期のサンマを水揚げすることができるのです。

南下するに従ってサンマの脂はどんどん落ちていきます。

つまり。

サンマの卵を見たことがないのは獲れる時期と産卵期がずれているから
という、やっぱり漁協の方のおっしゃるその通りだったんですね。

また、抱卵している状態だと卵に栄養を取られているので、
身はパサパサで美味しくないのです。
卵を持っていないサンマだからこそ、脂が乗っていておいしいのですね。

実は鮭もそうだったりします。
イクラの時期に出回る「時鮭」、北海道の人は食べません。
イクラや白子に栄養を取られて美味しくないからです。

北海道の人は春の終わりから夏にかけて取れる脂の乗った鮭を食べます。
これは「時しらず」と言って、ちょうど秋のサンマと同じ状態の鮭です。
脂が乗って美味しいのです。

さて、ちょっと話がそれましたが、
サンマの卵を見ない理由、ご理解いただけましたでしょうか。

ちなみに、ごくたま~に、
太平洋で時季外れの子持ちサンマがかかったりするそうですよ。

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オシマイ。

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