北海道

北海道でヒグマに遭遇した時の有効な対処法。鈴は本当に効く?

2017/06/22

北海道は、全域がヒグマの生息地になっています。
森や山に入って行けば、ヒグマに遭遇する確率は高いのです。
「出会わない」ようにすることが一番のヒグマ対策ですが、万が一遭遇した時のことも考えて、予め知識や対策を準備しておきたいところ。
ポピュラーな「熊鈴」についても書きました。

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北海道全域ででヒグマに遭遇する可能性が!

北海道に観光に来る人にとって、熊出没のニュースはやっぱり気になるのではないでしょうか。

北海道に生息する熊は「エゾヒグマ」といって、日本に棲む陸上動物としては最大です。

【エゾヒグマ】
◇体長…オス約1.9~2.3m
メス約1.6~1.8m
◇体重…オス約120~250kg
メス約150~160kg
◇食性…雑食性(草、木の実、昆虫、魚、哺乳類、屍肉、農作物)
◇生息域…北海道全域の森林や原野
◇ヒグマの亜種で、北海道に生息するものをエゾヒグマという。

とはいえ、

行く先は観光地だから…
まさか自分に限って熊に遭うわけがない

と、怖いとは思いつつどこか他人事のように感じてはいないでしょうか。

ヒグマというと、知床に沢山いるのが有名ですが、
実はそれ以外の北海道のほぼ全域に生息しているんです。
札幌の町に出没することもあります。
夜中に住宅のすぐそばを歩いていたり、幹線道路を横切っている姿なんかも目撃されます。

ちょっと森に入る自然の名所なんかにいくと「ヒグマ出没」の看板が…
よくある話です。

様々なタイミングが重なって、ばったり遭遇!
そんなこともあるかもしれません。

ですので、「自分は大丈夫!」と思わず、
ヒグマとの遭遇を避けるための基本的な知識や、
出会ってしまった時の対処の仕方など、以下で是非目を通してみてください。

【北海道のヒグマ対策】遭わないために・遭った時のために

北海道へ観光へいった時ヒグマと遭わないため、
まずは「ヒグマと遭遇しやすい状況」「事故になりやすい状況」を見て行きましょう。
(参照:JBN 日本クマネットワーク《人身事故情報のとりまとめに関する報告書》)

ヒグマの事故が起こりやすいシチュエーション

【時期】

北海道でヒグマの目撃情報やヒグマとの事故が多く発生している時期は

  • 4~5月の山菜取りの時期
  • 8月
  • 10月のきのこ狩りの時期

です。この中でもピークは10月
冬ごもり前にエサを沢山食べる時期と、人間が山に入っていく時期が重なります。
人間が熊の生息地域に入っていく時期(山菜取り、きのこ狩り、釣りなど)に、やはり熊との事故が多発しています。

【被害者】

熊との事故の被害者は主に50~70代で、ハンターやレクリエーション(山菜取りなど)で単独で山に入る人が多いようです。
地元の人が山に入る時に熊との事故が起こりやすいようですね。

ですが、夏にトレッキングなどで山に入る時も注意が必要です。
道からちょっと逸れて森の中へ入っていく…などの行動は危険です。
道路から10m程の森の中で被害に遭ったケースもあります。

【時間帯】

統計では、事故が起こるのは午前中が多いようです。
これは、被害者(ハンターや山菜取りなど)が山の中へ入る時間帯が午前中が多く、夕方や夜に出かける人が少ないからと考えられます。

【場所】

熊との事故のほとんどは山林内で発生しています。
やはり人間が熊のテリトリーに入っていくことで遭遇に繋がるようです。

【狙われる部位】

被害者の傷で多かったのが、頭や顔面、また背を向けて逃げる時の頸部(首)などです。
熊と出会って反射的に逃げることで逆に怪我を負うことも多いのです。

まとめ…5~6月、8月、10月に山林に一人で入っていくのはNG。

熊のタイプ

実は、熊のタイプによって、襲い方や行動も異なってくるんです。

【親子熊(母熊)】

まずは親子熊。
ヒグマはメスがシングルマザーで子育てをします。
子供を連れて歩いている母熊が非常に神経質なのは知られていますね。

うっかり子熊に近づいたりして母熊に襲われるケースは多いです。
ですが、子連れの母熊に遭遇した場合でも、子熊の安全が確保できれば、人間にはあまり執着せずに撤退することもあります。

【若い単独の熊】

ちょっと事情が違うのが単独の亜成獣の熊。
亜成獣というのは、1~2歳の親離れした熊で、まだ成獣になっていない(繁殖しない)若い熊のことです。
このくらいの年齢の熊は好奇心が強く、人間が怖い存在ということを知らないため、出会うと寄ってくることがあります。
また、身体が軽いので木にも登ってしまいます。
木に登って一命をとりとめたケースでは、相手が母熊であったため登って来ませんでした。
しかし亜成獣の熊だった場合、結果は違っていたかもしれません。

【人間を食害したことのある熊】

一番危ないのが、人間を食害したことのある熊です。
凶暴で肉食のイメージのあるヒグマですが、本来熊は雑食性で臆病な性格です。
そのため、積極的に人間を襲うことはせず、防御的な攻撃しかしません。
ですが、防御的な攻撃でたまたま人間を食害(食べる)した場合、人間のもつ食料や人間の味を覚えた熊が、人をみると捕食目的で積極的に攻撃してくることがあります。
こういった熊がいる状況で鈴を使うのは逆効果になります。

もし熊に出会ったら…

北海道旅行中にもし熊にであったらできる対策を以下にまとめました。

【背を向けて逃げない】

熊の目的や状況によっては、向こうが退散してくれる場合もありますが、背中を向けて逃げると本能的に追いかけてきます
向こうも警戒している状態なら、目を合わせつつ、ゆっくりと後退するのが◎
脅し(威嚇)で突進してくることもありますが、ここで逃げると確実に追いかけられます。
熊の走るスピードは時速50~60kmにもなります。
すぐ近くに車が停めてあったりするならいいですが、熊のテリトリー内で人間がいくら頑張って走ったところで追いつかれてしまいます。
もし熊の方が気付いていないなら、静かに引き返すといいでしょう。

【下りの方向に離れる】

熊と距離をとる場合、下りの方向に離れる方が有利です。
というのは、熊は前足が短いため、下りだと走る速度が落ちるからです。

【死んだふりはダメ】

熊は屍肉食なので、死んだふりは厳禁です。食べられてしまいます。

【気をそらさせる】

近寄ってくる場合は何か持っているものを地面においてみると、それに気を取られることもあります。
そのすきにゆっくり後ずさって距離をとりましょう。
ただし、取り返そうとするのは厳禁です。熊は、一旦手に入れたものには強く執着する性質があるためです。

【大声で威嚇する】

もし、手持ちの武器がなく絶体絶命の場合、熊を退散させられるかもしれない最後の手段です。
近づいてきた熊に対して、可能な限りの大声で急に叫んでください
これが効けば熊が驚いて逃げることもあります。
ただしこれは、数メートルの接近した距離まで熊が近づいてきたときにかぎります。
むやみやたらと大声を出すのは逆に熊を刺激することになってしまい、よくありません。

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【目や鼻先を狙う】

もし攻撃されてしまった場合、厚い毛皮や皮膚で覆われた熊の体を人間がいくら攻撃してもダメージは与えられません。
そういった状況では、目玉や鼻面を狙って攻撃するのが一番効果的です。

北海道のヒグマに鈴は本当に効果があるか

北海道ではよく、熊よけの鈴をザックにつけて歩いている人を見ますが、あれは本当に効果的なのでしょうか。

熊は耳がいいので、鈴を鳴らすことで人間の存在を察知し、自分から避けてくれます。
鈴をつけておくことで「ここに人間がいるよ」というのを知らせて、無用な遭遇を避けることができます。

ですが、先にも書いたように、人間を食害したことのある熊にとっては「餌が近くにいるぞ!」となって逆効果になります
人間って、臭みがなくて脂がのってて美味しいそうな…(^^;)

ですので、事前に行き先のヒグマ出没情報などを調べ、人身事故などが発生していないか、事故を起こした熊が駆除されたか確認しましょう。
ヒグマの出没については、それぞれの市町村のホームページなどに随時更新されています。
人との事故がない場合、鈴をつけて歩くのは効果的と言えます。
ただし、安いものだと音が遠くまで響かないので、「熊鈴」として売られているものがおすすめです。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

熊鈴 能作 ユニバーサルベル(ベルトタイプ)
価格:3240円(税込、送料別) (2017/6/6時点)

他にも、近寄ってくるヒグマを、傷を負うことなく撃退できる製品もあります。

こちらは唐辛子のスプレーで、ものすごい匂いの上、目や鼻、喉がヒリヒリします。
射程距離内にひきつけて一気に噴射します。
ただし、風向きなどの関係で自分にかかってしまったら、目や鼻がやられて逆に熊に襲われやすい状況に…
使うタイミングが難しいですが、うまく使えば熊を撃退できます。

ちなみに飛行機に乗せられないので、現地で買うしかできません。

 

音で脅かして撃退する方法もあります。
恐怖で竦んで声が出ない…という時にはこちら。
バーを抜くだけですさまじい音が出ます。普通の防犯ブザーよりも大音量の130デシベルです。

 

おわりに

北海道でヒグマに遭遇した時の対策などを説明しましたが、人間にとっても熊にとっても一番いいのは「出会わないこと」です。
食性をみてもわかるように、ヒグマは「肉食」ではありません。
雑食性で、また臆病な性格でもあります。

熊の方でもできるだけ人間とは会いたくないのですが、たまたま出会って人身事故になると、その熊には駆除(射殺)という運命が待っています。

ですので、まずはできるだけ遭遇しにくい状況を選んで北海道観光を楽しむようにしてくださいね。

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熊の性格や目的、遭遇した状況によってはここの情報は当てはまらないこともありますので、あくまで参考としてご利用をお願いいたします。

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