体と心

高齢の親が補聴器を嫌がる理由は?つけたがらない時の勧め方

親も年を取ったなぁ、と感じるのは、やっぱり耳が遠くなってきた時ですね。
しかし補聴器を勧めてみても「年寄り臭い」「まだ聞こえてる」と、本人は頑として拒否。
家族としては是非使ってみてほしいところですが…
嫌がる、つけたがらないなどの状況での勧め方をご紹介します。

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補聴器を嫌がる親。色々問題が…

60代、70代に入り、年を取ってきた親。
体は元気だしまだ頭もしっかりしているけれど「耳が遠くなってきたな…」と感じるシーンもあるかと思います。

例えばテレビの音量が大きくなったり、会話で何度も聞き返されたり。

ですが「補聴器をつけてみたら?」と家族が勧めても、本人が断固嫌がる、なんてことも多いですね。

耳ですから今すぐ病院に行かないとどうにかなるということではありませんが、小さな問題が色々と出て来ます。

家庭内で起こる問題

  • テレビの音が大きくなり、他の家族が迷惑
  • 言ったはずのことが伝わっていなくてトラブルに(本人は何となく聞こえているフリをする)
  • 電話のベルや呼び鈴などに気付かない
  • 家族の精神的ストレスになる(話が伝わらない、大声を出す必要があるなどで、家族もかなり疲弊します)

外で起こる問題

  • 後ろから接近する車などに気付けない
  • 知人に声をかけられても気付かず、無視してしまう
  • 会話がかみ合わず、おかしい人だと思われる
  • 会話の声が大きくなるので、職場や店内などで周囲に迷惑がかかる
  • 行き違いから信用を失うこともある

耳が遠いのは意外に問題が多い

耳が遠いというのは、「どうせ聞こえないから…」と本人の積極性を削いでしまうだけでなく、周囲にも色々と迷惑がかかってしまいます。

特に家族は、聞こえない本人が考えている以上にストレスです。
大きな声でゆっくりはっきり喋る、というのは意外と骨が折れるものです。
伝わらないことが原因で家庭内で色々と問題が起こることもありますし、家庭内ならまだしも外で事故やトラブルに巻き込まれたら…粗相をしたら…と考えるとおちおちしていられません。

しかし、補聴器を勧めると怒る、嫌がるなどで、家族もほとほと疲れ果ててしまうのです。

補聴器を嫌がる理由は

補聴器をつければ聞こえる可能性もあるのに、何故そんなに嫌がるのでしょうか。
一緒に暮らすご家族には「周りが迷惑!」と腹が立つ気持ちがあるかもしれませんが、まずは補聴器を嫌だと思う気持ちについて考えてみましょう。

嫌がる理由その1)特に問題ないと思っている

耳が遠くなっても、自分は聞こえている、特に不自由はないと思っているケースも多いです。

例えば呼び鈴が聞こえなくて来客に気付かなくても、それで謝罪したり問題解決にあくせくするのは周りの家族です。
文句を言われても、本人はそれすらもよく聞こえません。
そのうち、家族には当てにされなくなります。

テレビの音は大きくすればいいし字幕はあるし、近所付き合いでは「あなた耳が遠いわね」なんて直接言われません。
というわけで「多少耳は遠いけれどそんなに不自由していないし、人に迷惑はかけていない」と思っているケースも多々あります。

嫌がる理由その2)年をとって頑固・短気に

若い時ならすんなり考え方を変えられても、年を取るとそれが結構難しくなるんです。
これは、自分が年を取ってしまった寂しさというのもあるのかもしれません。

補聴器を勧めて一旦臍を曲げてしまうと、それ以上何を言っても頑として受け入れません。
特に家族の言うことは聞き入れません。(外にはいい顔をしても)

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年を取って頑固や短気になっているところ、「補聴器してもらわないと困るのよ!」などの強い言い方をしても、「迷惑をかけて申し訳ない、それじゃあするか」とはなりません。
強く言うと余計に気持ちを閉ざしてしまいます。

嫌がる理由その3)見た目の問題

補聴器をしていることで年寄り臭く見える、耳に付けているのが恥ずかしいなどの気持ちもあります。
それまで特に聴力に問題がなかった人は「補聴器=老人」というイメージがやはりあるのです。

子供世代から見たら、いやいや60代、70代の親は普通に老人でしょ、という感覚なんですけれど、やっぱり自分が年を取ったのを認めるのは寂しいのですね。

その他

他には、お金に余裕がなかったり、「補聴器はうるさいらしい」「ほとんど役に立たない」「いちいちつけるのが面倒くさい」などの噂を聞いて、つける前から嫌がることもあります。

どういう理由で補聴器を嫌がっているのかを親身になって聞いてあげるのがまずは大事です。

補聴器をつけたがらない時の勧め方

家族が嫌がるのを無理に押し付けたくはないものですが、つけてもらわないと生活が立ち行かない…ということもあると思います。

そんな時、できるだけ双方が嫌な思いをしない補聴器の勧め方をご紹介していきます。

孫から説得

筆者の父もそうなんですが、ガンコジイサンでも孫の言うことならにこにこ顔で二つ返事です(笑)
妻や夫、子供が言ってもなかなか聞いてくれないような状態でも、孫から言ってもらう(おじいちゃんお話聞こえないね、など)というのは手です。

説得する以外でも「孫と遊ぶとき、車に気付かないのは危ないから」「不審者に連れ去られそうになった時、叫び声が聞こえなかったらどうするの!」などと孫をダシに使うこともできます。
孫、使えます!

他の病気かもしれない、と説明

聴神経の腫瘍やメニエール病など、耳が聞こえづらくなるのは老人性の難聴以外にもいくつかの原因があります。
「耳だけじゃなくて、他の悪い病気だったら困るから」という口実で病院に連れて行くのも手です。

医師に説明してもらう

とりあえずは病院へ連れていき、そこで耳鼻科に行くように勧めてもらったり、また耳鼻科の先生に補聴器をつけるように勧めてもらったりするのも効果的です。
やはり家族が小言として言うよりも、お医者様の一言の方が説得力があるようです。

補聴器のお店に連れていく

筆者も一度父を連れて行ったことがありますが、補聴器の販売員さんは営業トークがとてもうまいです(笑)
さすがその道のプロ。耳が聞こえづらくなったお年寄りの心に寄り添って、必要性を説明してくれます。
家族がきつく言うよりもはるかに効果があります。
「買わなくてもいいからとりあえずお店に見に行こうよ」と、連れ出してみるのもいいかもしれません。

ポジティブ思考で説得

「つけてもらわないと皆が困るから!」とネガティブに強要するよりは「付けた方が気分よく生活できると思うよ」「まだ体は元気なんだから」とポジティブにやんわりという方が、その気にさせやすいもの。
これは自分に当てはめてみてもよく解りますが、やっぱり強い言い方で押し付けられると嫌なものですからね。

おわりに

親が補聴器を嫌がる理由と、勧め方のお話でした。

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年を取ってこれまで通りのことができなくなると、誰しも寂しいものです。
そんな時は強く押し付けるのではなく、まずはつけたがらない理由や気持ちを親身になって考えてみてあげてください。
そして、お店や病院に連れ出しつつ、うまく勧めてあげてくださいね。

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