
残留農薬が多い野菜は〇〇!安全性なら有機野菜が間違いない?
2016/12/16
スーパーで当たり前のように手に取る野菜や果物。
売られているものだから、みんなが食べているものだから、安全性に疑いなんてないと思っていたけれど…
実は、野菜や果物には農薬が残留しています。
安全な食卓を守るには、どうしたらいいのでしょうか?
残留農薬が多い野菜・少ない野菜があります。
残留農薬、と聞くと非常に恐ろしいものに感じられますが、まずは農薬について知りましょう。
農薬というのは、農作物を害する菌や昆虫、ウイルスや動物、植物などの除去に使われる薬剤のことであり、農業には必ず必要になるものです。
もちろん、家庭菜園では農薬なしで育てることもできますが、現在のような消費・供給のシステムは無農薬栽培の上には成り立ちません。
そこで現在の日本では、法令で定める農薬は使ってよしということになっています。
そして農薬には残留基準値というのがあり、基準に適合した一定以下の量なら農作物への残留も認められています。
これが「残留農薬」です。
つまり、通常スーパーで手に入る野菜や果物は農薬を使って育てられているものであり、一定の残留農薬があるのです。
もちろん残留農薬の基準には細かい規定があり、農作物の種類によってそれぞれに定められています。
それでも、野菜や果物によって「残留農薬が多いもの」「少ないもの」があるのです。
では、残留農薬が多い野菜や果物にはどんなものがあるのでしょうか。
残留農薬量が特に多い野菜や果物
イチゴ
りんご
ネクタリン
桃
セロリ
ぶどう
さくらんぼ
ほうれん草
トマト
パプリカ
ミニトマト
きゅうり
(ケール)
※アメリカのThe Environmental Working GroupというNPOの調査による2016年の報告を和訳しました。
残留農薬の安全性は信頼できる?
残留農薬の危険性については、定められた量を適正に使用する限りについては問題ないとされています。
以前には、分解するのに時間がかかり、土中に長期間残留しやすいものや、人間の体内に吸収され蓄積されやすい農薬が使用されおり、問題となりました。
しかし現在では、比較的早く分解され人間の体外に排出されやすい農薬に限定されています。
ですが。
ある種の農薬単独では問題ないとしても、複合で摂取することの安全性は不明瞭です。
また、安全と言える基準を決定するためのデータ取得には、当然時間や費用がかかります。
ですから、全ての農作物に信頼できる基準が決められているわけではありませんし、また、現在の情報が将来にわたっても確実で信頼できるものとは限りません。
更に、残留農薬の値は成人を基準に規定されています。
子供や赤ちゃん、お腹の中の胎児については、成人より体格が小さいので、安全とされる基準値はもっと低くなるはずなのです。
つまり、間違いなく安全とは言い切れませんし、小さい子供にとっての安全性にも疑問が残ります。
残留農薬が心配なものは有機野菜に置き換えたらいい?
残留農薬が心配とは言え、日常の食事をすべて有機野菜に置き換えようとするとかなりコストがかかりますよね。
…
…
…
今、有機野菜という言葉を使いましたが。
残留農薬が心配な場合は、「有機野菜」にすれば問題はないのでしょうか?
有機野菜とは何?
「有機野菜」という呼び名は、有機JAS法という法律によって表示が規制されています。
有機野菜として有機JASマークをつけていいのは、ごく簡単に言うと以下の栽培基準を満たした野菜だけです。
- 化学肥料や化学農薬の使用を避けることが基本
- 禁止された農薬や化学肥料を決められた期間使用していない土壌で栽培
- 遺伝子組換え技術を使用しない
- 限定された農薬・化学肥料等のみ使う
これをどう捉えるかというとつまり、有機JAS法で禁止されていない農薬は使ってもいい、という側面もあります。
ですから、有機JASマークがついていれば完全無農薬・化学肥料を全く使っていないかというと、そうではありません。
(もちろん、通常栽培の野菜と比べたら化学物質の使用は少ないということは言えます)
では、残留農薬が心配な場合、どういう野菜を選べばいいかというと
- 無農薬野菜…栽培期間中農薬を使っていない(化学肥料は使用している可能性あり)
- 低農薬野菜…農薬使用の回数を通常の半分に減らしたもの
- 減農薬野菜…農薬使用の回数を通常より1回減らしたもの
- 特別栽培野菜…減農薬・低農薬だったり、化学肥料を使った通常の栽培方法とは異なるもの
を謳っている野菜がお勧めです。
これは、必ずしも有機JASのマークがついているかというとそうではありません。ですが、農薬使用の観点から見ると、使用量が少ないのは確かです。
そこで、子供達の食事だけでもこのような無・減・低農薬野菜に変えてみるのがお勧めです。
また、上記のリストは果物も多く含まれています。
果物は小さな子供も大好きで食べる機会も多いので、気を付ける必要がありますね。
残留農薬を除去する方法は
- 皮を厚めに向く
- 皮がむけないものは、水に10分程度漬ける
- 流水で30秒しっかり洗う
- 茹でこぼし、水にさらす
などがあります。
残留農薬が多いものを置き換え、そうでないものは洗い方や食べる前の処理に気を付けるだけでも、摂取する農薬の量は減らせます。
子供たちの為にも、ぜひ少しずつ実践してみてくださいね。